アニメと街 うちのいいとこプレゼンテーション レポート[AnimeJapan 2018]

AnimeJapan 2018、AnimeJapan放送局ブースの「アニメと街 うちのいいとこプレゼンテーション」をレポートします。

登壇者は、ガルパン/大洗町の代表として、バンダイビジュアルの廣岡さん、Oaraiクリエイティブマネジメントの常盤さん。ゆゆゆ/観音寺市の代表として観音寺市政策部企画課の近藤さん。はいふり/横須賀市の代表としてアニプレックスの平山さん、横須賀市経済部観光企画課の峰澤さん。そしてMCがポニーキャニオンの野島さんと天津向さんです。
「アニメで街おこし」という「つながり」のある人たちなので、勝手知ったる気のおけない軽快なトークで楽しませていただきました。

登壇者さんの、役割や立ち位置や役割など

『ガールズ&パンツァー』Oaraiクリエイティブマネジメント(大洗町) 常盤良彦さん
元々は大洗町のとんかつ屋さん店長だったが、現在は「まいわい市場」社長であり、また最近はガルパンのイベントプロデューサー的な役割

『結城友奈は勇者である』観音寺市 政策部 企画課 近藤知章さん
観音寺市で、地方創生総合戦略を担当

『ハイスクールフリート』アニプレックス 平山公通さん
はいふりのグッズデザイン監修やイベント監修など

『ハイスクールフリート』横須賀市 経済部 観光企画課 峰澤匡穂さん
横須賀市で「サブカル課」のような立ち位置の業務をしているそうです。

『ガールズ&パンツァー』バンダイビジュアル 廣岡祐次さん
水戸ホーリーホックのサポーター的な位置付けですw

MC:天津向さん
食レポ担当ですw

コラボした街の、良いところ

それぞれの街の、自慢できるところを大いに語っていただきました。

神奈川県 横須賀市

横須賀市は神奈川県の南東部、東京湾の入り口に位置し、首都防衛の要という歴史を持ちます。観音崎灯台や浦賀ドックなど、軍備に直結した史跡も多数残されております。
その中でも「記念館三笠」は世界三大記念艦として名高く、戦艦の「本物の環境」を楽しめるスポットとしてミリタリーファンが大挙して訪れる、海軍の街 横須賀のシンボル的存在です。
(日本の「三笠」、イギリスの「ヴィクトリー」及びアメリカの「コンスティチューション」は、自国の独立を守るための重要な海戦において勇敢に戦い歴史的な勝利を収めたことから世界の三大記念艦といわれています)
http://www.kinenkan-mikasa.or.jp

『ハイスクールフリート』と横須賀のコラボとしては、旧海軍レシピを活用した「横須賀海軍カレー」や、「さかくら総本家」どら焼き(餡+バターのこってり味)との、コラボパッケージという形で活用されています。
http://www.hai-furi.com/goods/?item_id=540
http://www.hai-furi.com/news/?article_id=38414
(さかくら総本家の店主は「変な人だけど、どら焼きの腕は確か」と評価されていましたw)

香川県 観音寺市

香川県の観音寺市は、愛媛県・徳島県との県境に位置し、いりこやレタスが名産の地域です。
観光名所として有名なのは有明浜の「銭形砂絵 寛永通宝」です。この砂絵を見れば健康で長生きし、お金に不自由しないと伝えられています。写真で見るとそれほど大きなものには見えませんが、東西122m/南北90mとかなり巨大なものです。琴弾公園内の山頂展望台から見るのもおすすめですが、標高400メートルほどの山登りになりますので、それなりの体力と覚悟が必要です。『結城友奈は勇者である』の本編でも山登りの描写がありましたので、キャラクターの気持ちを味わう上でも、聖地巡礼の際には是非とも登ってみたいものです。
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/21/333.html

(ちなみに、展望台の裏側には車道が通っており、車で登ることもできるそうです)
ゆゆゆ×香川のコラボグッズ筆頭といえば「勇者部うどん」です!岸監督も「香川のうどんは、うどんではなく、概念である」と語るほどのお気にいりです。
http://yuyuyu.tv/news/archives/749

観音寺限定のコラボうどん商品です。半生うどん4人前とぶっかけつゆ4袋、肉ぶっかけうどんのレシピが入っています。うどんの袋には5種類のちびキャラシールを、ランダムで1種類貼っています。パッケージ表面は、つるやさんの肉ぶっかけうどんの画像。裏面は、観音寺の有明浜と6人のキャラクターが描かれた、観音寺市オリジナル描き下ろしイラストを使用しています。
そして観音寺市の名物といえば「銘菓 観音寺(通称:観音寺まんじゅう)」
この饅頭は、賞味期限が短いので観音寺に来ないと買えないというレアな存在。四角いまんじゅうに焼印が押され、こちらも劇中に登場しております。天津向さんの食レポでは「一生、食べていられる味。甘み控えめが良い。サイズもいい」と高評価でした。
http://kanonji-kankou.jp/buy/01/006.html

茨城県 大洗町

茨城県大洗町は人口18,000人の小さな街です。太平洋に面しており、海水浴場や海の幸などを観光資源として発展して来ました。名物としては「あんこう祭」の吊るし切りでもお馴染みの「あんこう鍋」です。

街のシンボルは、朝日が素晴らしい「神磯の鳥居」、さらには汽水湖/涸沼は夕日が美しく、朝日も夕暮れも楽しめる稀有な地域となります。
そして大洗マリンタワーもガルパン劇中に何度も登場し、ランドマークとして存在感を放っております。
http://www.oarai-mt.jp

アクアワールド大洗はサメの種類が日本一多い水族館であり、めんたいパークではかねふくの明太子をエンドレスに試食できるそうです。そして4月にグランドオープンするアウトレットモール「大洗シーサイドステーション」は、常盤さんが社長を勤めているそうで、とんかつ屋の店長からモールの社長へ華麗な転身ですね。しかもそれだけには留まりません。

どういう経緯で、コラボが実現したのか?

はいふりと横須賀の出会い

『ハイスクールフリート』の本編内容が見えてきた2016年に、イベントコラボのために記念館三笠に飛び込み営業をかけたところがスタート。
はいふりは全編を横須賀を舞台とした物語であり、横須賀全体と街おこしをしたいと考えていたが、手始めとしてイベントを企画した。
(横須賀が登場するアニメ作品は数多くあるが、横須賀を完全に舞台としたのは、はいふりがおそらく初めて)
また、コラボが始動するのは放送開始後というケースが多いが、今回は「横須賀カレーフェス」というイベントとのコラボで、事前に動かすことができた。
https://www.cocoyoko.net/event/curry-fes.html

ゆゆゆと観音寺市の出会い

こちらのコラボは、放送一年後です。かなり遅い時期のスタートですね。しかも二期もまだ決まっていない時期という、微妙なタイミング。。
自治体として動き出す以前から、ファンによる自発的な聖地巡礼は存在し、草の根的な巡礼ノートなどは存在した。それを知った観音寺市としても、アニメファンを歓迎するものにしたいと考えていたそうで。

観音寺市としては、まずはロフトプラスワンで行われた「ガルパン大洗イベント」で街おこしについて勉強をスタート。常盤さんの話が参考になった。
やはりガルパン大洗には先輩の風格がりますね。常盤さんは「大洗アニメ街おこし」視察受け入れの窓口もしているそうで。各自治体の担当者は、まずは常盤さんに話を通せばコラボ成功するかもしれません。

ガルパンと大洗町の出会い

成功事例として様々なメディアでも紹介された大洗とガルパンの関係性、そこにはいくつかの運命的な偶然と、大洗の風土と人々がもたらした必然がありました。

新作オリジナルアニメの制作にあたり、まずは舞台をどこにするか?の検討が行われた。条件としては、ランドマークがあること、首都圏近郊でロケハンが手軽であること、(学園艦が登場する関係で)海や港が近いことが挙げられました。最初のプランでは神戸が有力でしたが、ロケハンに難があるということで、大洗案が浮上してきました。

大洗には、ガルパンのプロデューサーも在住していて、しかもランドマーク(マリンタワー)があり、半日で回れる程度の街のスケール感。さらにはランティスのプロデューサーも実家が大洗という偶然もあり、親族から大洗の偉い人へとコンタクトを取っていただき、それが常盤さんにつながっていきました。突然「おまえ今度アニメやれ」と言われたそうで。。
常盤さんとしては「アニメも当時は全然知らなかった。しかも原作のないオリジナルアニメ、女の子が戦車で戦うと最初に話を聞いて、訳がわからない」と相当面食らったご様子。しかしながら「一生懸命の人を応援したくなっちゃう」という大洗気質?があり、それがコラボ成功の橋頭堡となった模様です。

当初は予算もないわけですので、ラッピングバスは自分たちで貼ったりなどの創意工夫絵で乗り越えていきました。そこで役立ったのは、こじんまりとした街ゆえの、人との関係性の濃密さ。会社社長や市役所担当者などが知り合いなので、話を通すことでなんとかなる場面も多かったようです。

反響が大きかったもの

横須賀

グルメスタンプラリーは、飲食店も様々なメニューを開発してくれて、参加店舗が34店舗も集まる。マニアの方ですと「5周」完遂したらしく、食い倒れラリーと呼ばれたとかなんとかw。二ヶ月間で合計1万8000食が出て大成功となりました。食材などの地元のいいところをアピールできたことが良かった。またキャンペーン完了後も、食堂の方と仲良くなった巡礼者が、再度の聖地巡礼の際に食事に行ったりする派生効果も産まれました。
ハイスクールフリートのコラボモデルも実現した「スカジャン」は「横須賀ジャンパー」を略称です。横須賀周辺に駐留したアメリカ軍兵士達が、自分のジャケットに和風の刺繍を入れてもらったのが始まりですね。地元文化を取り入れて、全国に向けて発信できるという点もアニメコラボの魅力です。

香川

銭形砂絵など観光名所とコラボポスターを制作。こちらは非売品であり、実際に観音寺市に来ないと見れないという点も、レア度アップのポイントですね。ふるさと納税の返礼品となり、こちらも大人気となりました。
また地元の協力を得られたことも重要です。特に観音寺の住職さんは、コラボをきっかけにアニメファンになり、「うちの寺をもっと出してほしい」という要望までいただいたそうです。

大洗

大洗も、ふるさと納税の返礼品としてジャケットを用意。常盤さんの野望?としては「これを着たガルパンおじさんを大洗に集めて、タウンミーティングをやりたい。できれば町長に直談判できる機会を作りたい。良い企画が上がれば、議会に持ち上げてくれるかも?」。このあたりはコンパクトな大洗の特徴ですね。大規模な自治体であったら、様々な人の思惑が多すぎて意思決定までに時間がかかっていたかも。ガルパン街おこしの成功の大きな理由になるかもしれません。
大洗の「ガルパン缶バッヂ」は、現在までに400種以上、しかも150万個生産。しかも全てが大洗の坂本事務局長の手作りですよ!こちらはノベルティ的な使われ方をしていますね、商店街店舗の主人が購入しておまけとして配って活用しています。
他にもイベントも盛んに開催しています。大洗女子学園修学旅行は平日なのに200人、みぽりん誕生日イベントは2,000人も来場。あんこう祭に至っては、街が立ち入り規制になる状態にw。
さらにはガイドブック「大洗フィーベル ~大洗ガルパントラベルガイド2~」も発行されています。グルメガイドや、ガルパン立て看板のリストまで網羅された、巡礼者必携の一冊となります。

まとめ

ご担当者レベルでは色々なご苦労があると思うのですが、そんなことも微塵も感じさせず楽しいトークが飛び交ったマシンガンのようなプレゼンテーションでしたw。「集客も大事だけど自分たちも含めて楽しみたい!」という気持ちも強く感じることができましたね。
アニメで街おこしが大成功したところもあれば、上手くいかなかった所もあるわけでして。街の魅力も大事ですが、やはり巡礼者を惹きつけるには、現地の人々の「想い」が重要だな、ということを強く感じました。

イベント情報

https://www.anime-japan.jp/main/ajbooth/
アニメと街 うちのいいとこプレゼンテーション
2018年3月24日(土)13:00 〜 14:00

プログラム内容:
地方自治体とコラボレーション実績があるアニメ作品の担当者や各自治体の方に、コラボレーションに至ったきっかけやアニメ化した後の地域への効果などをお話しいただきます。

出演者:
『ガールズ&パンツァー』
バンダイビジュアル 廣岡祐次
Oaraiクリエイティブマネジメント(大洗町) 常盤良彦

『結城友奈は勇者である』
ポニーキャニオン 野島鉄平
観音寺市 政策部 企画課 近藤知章

『ハイスクールフリート』
アニプレックス 平山公通
横須賀市 経済部 観光企画課 峰澤匡穂

MC:ポニーキャニオン 野島鉄平、天津 向

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